2026年度(第72回)青少年読書感想文全国コンクール・小学校低学年の部の課題図書に選ばれた『ララのまほうのことば』。
暑い夏の日、ララは空き地に生えている草や植物に水をあげながら、やさしい言葉をかけています。
しかし、毎日どろんこになって帰ってくるララを見て、お母さんは怒ってしまいます。
この作品から考えられるのは、植物や自然を大切にすることだけではありません。
「やさしい言葉にはどんな力があるのか」「相手のことをよく知らないまま決めつけていないか」など、自分の生活にもつながるテーマが描かれています。
この記事では、『ララのまほうのことば』のあらすじやテーマ、読書感想文で使いやすい5つの切り口、構成例、タイトル例までわかりやすく紹介します。
『ララのまほうのことば』の基本情報
📚 2026年度 青少年読書感想文全国コンクール課題図書(小学校低学年の部)
🏆 エズラ・ジャック・キーツ賞 イラストレーター部門受賞作
作品名: ララのまほうのことば
作: グレーシー・ジャン
訳: やのあやこ
出版社: 工学図書
ISBN: 978-4-7692-0514-2
『ララのまほうのことば』は、2022年のエズラ・ジャック・キーツ賞イラストレーター部門を受賞。また、日本語版の翻訳は第31回いたばし国際絵本翻訳大賞・英語部門の大賞受賞作です。
『ララのまほうのことば』はこんな人におすすめ
『ララのまほうのことば』は、特にこんな人におすすめです。
- 花や植物、生き物が好きな人
- 誰かにやさしい言葉をかけてもらった経験がある人
- 自分の言葉で誰かを喜ばせたことがある人
- お父さんやお母さんに怒られた経験について書けそうな人
- 身近な出来事から読書感想文を書きたい人
「言葉」「家族」「植物」など、低学年の子どもでも自分の経験と結びつけやすいテーマがたくさんあります。
特に、誰かに言われてうれしかった言葉や、自分が誰かにかけた言葉について思い出してみると、読書感想文を書きやすいでしょう。
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『ララのまほうのことば』のあらすじ
暑い夏の日。
ララはバケツを持って、コンクリートに囲まれた小さな空き地へ向かいます。
そこに生えている草や植物は、ララにとって「みどりのおともだち」。
ララは植物に水をあげるだけでなく、やさしく言葉をかけています。
暑い日にも、ララは植物たちのところへ通い続けます。
しかし、外から帰ってくるララはいつもどろんこ。
そんなララを見ていたお母さんは、とうとう怒ってしまいます。
そしてララは、外へ出ることができなくなってしまいました。
ララが植物のところへ行けなくなってからも、暑い夏の日は続きます。
ララが大切にしていた植物たちはどうなってしまうのでしょうか。
そして、ララの行動を見ていたお母さんにも変化が訪れます。
ララが植物にかけ続けていた「ことば」。
その言葉とやさしい行動が生み出す変化を通して、言葉の力や自然を大切にする気持ちについて考えられる物語です。作品の公式紹介でも、暑い夏にララが空き地の草へ水をやり、やさしい言葉をかけ続ける姿が描かれています。
『ララのまほうのことば』のテーマ
『ララのまほうのことば』には、読書感想文につなげやすいテーマがいくつもあります。
特に考えやすいのは、「言葉の力」「やさしさを行動にすること」「相手のことを知ろうとすること」の3つです。
やさしい言葉が持つ力
この作品で特に印象的なのが、ララが植物にかける言葉です。
植物に水をあげるだけではなく、ララは「みどりのおともだち」として話しかけます。
人間同士でも、言葉には不思議な力があります。
「ありがとう」
「がんばったね」
「だいじょうぶだよ」
そんな一言を言われただけで、うれしくなったり元気になったりした経験がある人もいるでしょう。
反対に、嫌な言葉を言われて悲しくなった経験があるかもしれません。
言葉そのものを見ることはできません。
それでも、誰かの気持ちを変える力があります。
「まほうのことば」とは何なのか、自分なりに考えてみると読書感想文を深められます。
やさしさを行動にすること
ララは植物が好きだと思っているだけではありません。
暑い中でも水を運び、植物に水をあげています。
誰かや何かを大切に思うことと、その気持ちを行動にすることには違いがあります。
「友達を助けたい」と思ったら声をかける。
「家族にありがとう」と思ったら実際に伝える。
「植物を大切にしたい」と思ったら水をあげる。
ララの姿から、「思っているだけではなく、実際に行動すること」について考えることができます。
相手のことを知ろうとすること
ララのお母さんから見れば、ララは毎日どろんこになって帰ってきます。
事情を知らなければ、「どうしてこんなに汚してくるの?」と思ってしまうかもしれません。
しかし、ララにはララなりの理由があります。
私たちも、誰かの行動だけを見て「変だ」「悪い」と決めつけてしまうことがあります。
でも、その人がなぜそうしたのかを知れば、見え方が変わることがあります。
相手の気持ちや理由を知ろうとすることも、この作品から考えられる大切なテーマです。
『ララのまほうのことば』読書感想文の切り口5選
ここからは、実際に読書感想文を書くときに使いやすい切り口を5つ紹介します。
全部を書く必要はありません。
自分の経験と一番つなげやすいものを一つ選んで、そこから考えを広げてみましょう。
①「言われてうれしかった言葉」から書く
この作品で最も書きやすい切り口の一つです。
今までに、誰かから言われてうれしかった言葉を思い出してみましょう。
「がんばったね」と言ってもらった。
「ありがとう」と言われた。
友達から「いっしょに遊ぼう」と言ってもらった。
先生にほめてもらった。
どんな小さな言葉でも構いません。
そのとき、
「どんな気持ちになったのか」
「その言葉を言われたあと、何か変わったのか」
まで思い出してみましょう。
そこから、ララが植物にやさしい言葉をかける姿について自分が感じたことにつなげられます。
② 自分が誰かにかけた言葉について書く
反対に、自分が誰かに言った言葉から考える方法もあります。
泣いている友達に「だいじょうぶ?」と声をかけた。
家族に「ありがとう」と言った。
頑張っている友達に「がんばって」と言った。
そのとき相手はどんな顔をしていたでしょうか。
言葉をかける前とあとで何か変わったでしょうか。
「言葉は小さなものだけれど、人の気持ちを変えることがある」と気づいた経験があれば、この本と結びつけて書きやすくなります。
③ 植物や生き物を育てた経験から書く
学校や家で、花や野菜を育てた経験がある人も多いでしょう。
朝顔に水をあげた。
ミニトマトを育てた。
家でペットのお世話をした。
最初は小さかった植物が大きくなった。
そんな経験を、ララの「みどりのおともだち」と結びつけられます。
毎日お世話をするのは大変だったか。
成長したときにどんな気持ちになったか。
生き物を大切にするとはどういうことだと思ったか。
自分の体験を詳しく書くことで、オリジナルの読書感想文になります。
④「お母さんに怒られた経験」から書く
ララは、どろんこになって帰ってきたことでお母さんに怒られます。
自分にも、「ちゃんと理由があったのに怒られた」という経験はないでしょうか。
反対に、あとから考えると「お母さんやお父さんにも理由があったのかもしれない」と思った経験があるかもしれません。
ララの気持ちだけでなく、お母さんの立場から考えてみるのもおもしろい切り口です。
「もし自分がお母さんだったらどうする?」
と考えることで、一つの出来事にも違った見方があることに気づけます。
⑤「自分にとってのまほうのことば」を考える
タイトルにある「まほうのことば」から、自分だけのテーマを作る方法です。
自分にとって、言われるとうれしくなる言葉は何でしょうか。
「ありがとう」
「だいじょうぶ」
「いっしょにやろう」
「よくがんばったね」
人によって違うはずです。
なぜその言葉が好きなのか。
いつ、誰に言われたのか。
その言葉を今度は誰に伝えたいのか。
ここまで考えると、作品の内容と自分自身の経験をしっかり結びつけた読書感想文になります。
『ララのまほうのことば』読書感想文の構成例
小学校低学年なら、4つの段落に分けて考えると書きやすくなります。
① この本を選んだ理由
最初に、なぜこの本を読もうと思ったのかを書きます。
例:
「わたしは『まほうのことば』という題名を見て、どんなまほうが出てくるのか気になって、この本を読みました。」
「ぼくは植物を育てたことがあるので、ララが植物にどんな言葉をかけるのか気になりました。」
② 一番心に残ったところ
次に、物語の中で特に心に残った場面を書きます。
ララが植物に水をあげるところ。
植物にやさしい言葉をかけるところ。
お母さんとのやり取り。
自分が気になったところなら、どこでも構いません。
大切なのは、
「○○という場面がありました」
だけで終わらず、
「わたしは○○と思いました」
と自分の気持ちまで書くことです。
③ 自分の経験と比べる
ここが読書感想文の中心になります。
たとえば「言葉」をテーマにするなら、
例:
「わたしは、なわとびができなくてあきらめそうになったとき、友達に『もう少しだよ』と言ってもらったことがあります。その言葉を聞いて、もう一回やってみようと思いました。」
そこから、
「だから、ララが植物にやさしい言葉をかけているところを読んで、言葉には人を元気にする力があると思いました。」
と作品へ戻します。
④ 本を読んでこれからどうしたいか
最後に、本を読んで気づいたことや、これからやってみたいことを書きます。
例:
「この本を読んで、やさしい言葉は人をうれしくするまほうみたいだと思いました。これからは、友達や家族ががんばっていたら、わたしからやさしい言葉をかけたいです。」
自分のこれからの行動まで書けると、読書感想文をまとめやすくなります。
『ララのまほうのことば』読書感想文のタイトル例
読書感想文を書き終わったら、自分が一番伝えたい内容に合うタイトルを考えてみましょう。
- 「わたしのまほうのことば」
- 「やさしい言葉の力」
- 「ララから教えてもらったこと」
- 「言葉で元気になる」
- 「みどりのおともだち」
- 「わたしもやさしい言葉を」
- 「ありがとうはまほうのことば」
- 「言葉には力がある」
- 「ララとわたしの大切な言葉」
- 「だれかを笑顔にする言葉」
最初からタイトルを決めなくても大丈夫です。
感想文を書き終わってから、一番多く書いたテーマをタイトルにすると考えやすくなります。
『ララのまほうのことば』の読書感想文を書くときの注意点
「植物を大切にしよう」だけで終わらせない
もちろん、自然や植物を大切にすることもこの作品から考えられるテーマです。
ただ、
「植物を大切にしようと思いました」
だけでは、自分らしい感想文にはなりにくいでしょう。
「自分が植物を育てたときはどうだったか」
「ララのどんなところを見てそう思ったのか」
まで書いてみましょう。
あらすじを書きすぎない
ララが何をして、お母さんがどうして……と物語を最初から最後まで説明する必要はありません。
自分が感想を書くために必要な場面だけを簡単に紹介し、その場面についてどう感じたのかを書くことが大切です。
難しい「まほう」を考えなくていい
タイトルに「まほう」とありますが、本当に魔法が使えるかどうかについて考える必要はありません。
「自分にとって、まほうみたいにうれしい言葉は何だろう?」
というように、自分の身近な経験から考えてみましょう。
『ララのまほうのことば』の読書感想文でよくある質問
一番書きやすいテーマは?
「言葉の力」をテーマにすると書きやすいでしょう。
誰かに言われてうれしかった言葉や、自分が誰かに言った言葉など、学校や家庭での経験と結びつけられるためです。
「どんな言葉だったか→そのときどう感じたか→本を読んで何に気づいたか」と考えてみましょう。
植物を育てた経験がなくても書ける?
もちろん書けます。
この本は植物だけでなく、「やさしい言葉」「家族」「相手を思う気持ち」など、さまざまなテーマから感想を書くことができます。
友達や家族との出来事から、自分が書きやすいテーマを選びましょう。
「まほうのことば」は何だと書けばいい?
正解は一つではありません。
「ありがとう」「だいじょうぶ」「がんばったね」など、自分が言われてうれしかった言葉を選んでも構いません。
大切なのは、「なぜその言葉をまほうのことばだと思ったのか」を自分の経験と一緒に説明することです。
小学校1年生でも書きやすい?
『ララのまほうのことば』は2026年度の小学校低学年の部の課題図書で、48ページの絵本です。
1年生なら、
「一番好きな場面」
「ララの好きなところ」
「言われてうれしかった言葉」
など、一つのテーマに絞って書くと取り組みやすいでしょう。
まとめ|『ララのまほうのことば』は言葉とやさしさについて考えられる絵本
『ララのまほうのことば』は、植物を大切にするララの姿を通して、言葉ややさしさが持つ力について考えられる物語です。
読書感想文では、
- 誰かに言われてうれしかった言葉
- 自分が誰かにかけた言葉
- 植物や生き物を育てた経験
- 理由をわかってもらえなかった経験
- 自分にとっての「まほうのことば」
などをテーマにすると書きやすいでしょう。
特に大切なのは、「やさしい言葉は大切だと思いました」で終わらせず、自分自身の経験を入れることです。
ララの行動を見て感じたことと、自分がこれまで経験したことを比べながら、「これから自分はどんな言葉を使いたいか」まで考えてみてください。
2026年度のほかの課題図書については、こちらの記事でまとめて紹介しています。
▶ 【2026年度】読書感想文の課題図書一覧|小学生・中学生・高校生の全18冊を紹介
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