2026年度(第72回)青少年読書感想文全国コンクール・小学校中学年の部の課題図書に選ばれた『おいしいお米をつくりたい!:ゆうちゃん、小学生で農家に弟子入りしました』。
この本の主人公「ゆうちゃん」こと新宅佑輔くんは、小学2年生で農家に弟子入りし、お米づくりに挑戦します。
しかも、これは作り話ではありません。
実際の小学生の挑戦を追ったノンフィクションです。
ゆうちゃんが目指したのは、完全無農薬で育て、天日干しにしたおいしいお米。
しかし、お米づくりは簡単にはいきません。
雑草や害虫、台風など、自然を相手にするからこその問題が次々と起こります。
それでも「おいしいお米をつくりたい」という思いを持ち続けるゆうちゃん。その姿は、やがて周りの大人たちや地域にも影響を与えていきます。
この記事では、『おいしいお米をつくりたい!』の内容やテーマ、読書感想文で使いやすい5つの切り口、構成例、タイトル例までわかりやすく紹介します。
『おいしいお米をつくりたい!』の基本情報
📚 2026年度 青少年読書感想文全国コンクール課題図書(小学校中学年の部)
作品名: おいしいお米をつくりたい!:ゆうちゃん、小学生で農家に弟子入りしました
著: 谷本雄治
出版社: 汐文社
ISBN: 978-4-8113-3321-2
本書には大きめの写真やコラムも取り入れられていて、ゆうちゃんの挑戦を追いながら、お米づくりについても知ることができます。
2026年度課題図書の選定理由でも、主人公が読者と同世代で親しみやすいことや、写真・コラムから米づくりについてさまざまな気づきを得られることが評価されています。
『おいしいお米をつくりたい!』はこんな人におすすめ
『おいしいお米をつくりたい!』は、特にこんな人におすすめです。
- 何かに夢中になった経験がある人
- 野菜や植物を育てたことがある人
- 食べ物がどうやって作られるのか興味がある人
- 農業や自然について考えてみたい人
- 自分と同じ小学生の挑戦について読んでみたい人
- 「好きなことを続ける」というテーマで感想文を書きたい人
この本は、お米づくりについて学べる本であると同時に、一人の小学生が本気で好きなことに挑戦した記録でもあります。
そのため、農業の経験がなくても大丈夫です。
スポーツ、勉強、習い事、生き物、工作など、自分が夢中になったこととゆうちゃんの経験を比べながら読書感想文を書くことができます。
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『おいしいお米をつくりたい!』の内容
「ゆうちゃん」こと新宅佑輔くんは、農家の中井知広さんがつくるお米が大好きです。
その思いは、「おいしい」で終わりませんでした。
小学2年生のとき、ゆうちゃんは中井さんに弟子入りし、自分でもお米づくりを始めます。
使うのは、作物がつくられなくなっていた休耕田。
目指したのは、完全無農薬で育て、収穫した稲を天日干しにしたお米です。
しかし、実際にお米をつくってみると、さまざまな問題が待っています。
田んぼには雑草が生えます。
害虫もやってきます。
さらに、自然を相手にしているため、天候も自分の思い通りにはなりません。
台風がやってくることもあります。
それでも、ゆうちゃんは「おいしいお米をつくりたい」という目標に向かって挑戦を続けます。
目標は、300キログラムのお米を収穫すること。
そして、ゆうちゃんの挑戦は自分一人だけのものではなくなっていきます。
お米づくりに一生懸命取り組む小学生の姿が、高齢化の進む町の人たちの心も動かしていくのです。
一粒のお米ができるまでには、どれほどの手間がかかるのか。
好きなことに本気で取り組むことで、周りにどんな変化が生まれるのか。
ゆうちゃんの実際の挑戦を通して、食べ物、農業、努力、地域のつながりなどについて考えられるノンフィクションです。
『おいしいお米をつくりたい!』のテーマ
この本には、読書感想文につなげられるテーマがたくさんあります。
特に考えやすいのは、「好きなことに挑戦すること」「食べ物をつくる大変さ」「一人の行動が周りを動かすこと」の3つです。
好きな気持ちを行動に変えること
ゆうちゃんは、中井さんがつくったお米が大好きでした。
でも、「おいしいな」と思って終わったわけではありません。
農家に弟子入りして、自分もお米づくりに挑戦します。
しかも、小学2年生です。
何かを「好き」と思うことは簡単でも、それを自分でやってみるとなると勇気が必要です。
自分で調べる。
誰かに教えてもらう。
失敗しても続ける。
ゆうちゃんの姿から、「好き」という気持ちには、人を動かす大きな力があることを考えられます。
食べ物をつくる大変さ
私たちは普段、ご飯を当たり前のように食べています。
スーパーへ行けばお米が売られていますし、炊飯器で炊けば食卓にご飯が並びます。
でも、そのお米ができるまでには長い時間がかかっています。
田んぼで稲を育てれば、雑草や害虫への対応が必要です。
天候にも左右されます。
特にゆうちゃんは、完全無農薬・天日干しにこだわってお米づくりに挑戦します。
普段何気なく食べている一杯のご飯の向こう側に、どんな人の仕事や苦労があるのか。
本を読む前とあとで、「お米」の見え方がどう変わったかを考えることができます。
一人の挑戦が周りの人を動かすこと
ゆうちゃんのお米づくりは、一人だけの挑戦で終わりません。
一生懸命取り組む姿は、周りの人にも影響を与えていきます。
出版社も、ゆうちゃんの情熱が高齢化の進む町の人々の心を動かしていくことを、本書の大きなポイントとして紹介しています。
「子どもだから何もできない」とは限りません。
年齢に関係なく、一生懸命な人を見て「自分も何かしてみよう」と思うことがあります。
一人の行動が周りへ広がっていくことも、この本から考えられるテーマです。
『おいしいお米をつくりたい!』読書感想文の切り口5選
ここからは、実際に読書感想文を書くときに使いやすい切り口を5つ紹介します。
全部を書く必要はありません。
「自分ならこれについて書けそう」と思うものを一つ選び、自分の経験と結びつけてみましょう。
① 自分が夢中になったことから書く
農業をしたことがなくても、この切り口なら書きやすいでしょう。
ゆうちゃんにとって、それがお米づくりでした。
では、自分にとって夢中になれるものは何でしょうか。
サッカー。
野球。
ゲーム。
絵。
工作。
読書。
昆虫。
ピアノ。
何でも構いません。
最初はただ好きだったものについて、「もっと上手になりたい」「もっと知りたい」と思って何かを始めた経験があれば、ゆうちゃんと比べてみましょう。
好きなことだからこそ頑張れたことや、大変でも続けられた経験を書くと、自分らしい感想文になります。
② 毎日食べている「ご飯」から書く
この本を読む前、自分はお米についてどのくらい考えていたでしょうか。
「毎日食べるもの」
くらいにしか思っていなかった人もいるでしょう。
しかし、ゆうちゃんのお米づくりを知ると、一粒のお米ができるまでにさまざまな作業があることがわかります。
そこで、
「今までご飯を食べるときに考えていたこと」
↓
「本を読んで初めて知ったこと」
↓
「これからご飯を食べるときにどう感じそうか」
という流れで書いてみましょう。
本を読む前とあとの自分の変化がはっきりするので、読書感想文に向いています。
③ 「小学2年生で農家に弟子入り」したことから書く
ゆうちゃんの挑戦で驚きやすいポイントの一つが、その年齢です。
「小学2年生で農家に弟子入りするなんて、自分にはできるかな?」
と考えてみましょう。
もし自分だったら、何のプロに弟子入りしてみたいでしょうか。
そして、本当に弟子入りするとしたら、どんなことを教えてもらいたいでしょうか。
ここから、
「子どもだからできないと思っていたこと」
「自分も挑戦してみたいこと」
について考えることができます。
④ 大変でも続けた経験から書く
ゆうちゃんのお米づくりは、楽しいことばかりではありません。
害虫や雑草、台風など、さまざまな困難があります。
自分にも、
「もうやめたい」
と思ったけれど続けた経験はないでしょうか。
スポーツの練習がきつかった。
漢字を何度練習しても覚えられなかった。
楽器がなかなか上手にならなかった。
植物を毎日世話するのが大変だった。
そのとき、どうして続けられたのでしょうか。
ゆうちゃんが挑戦を続けた理由と、自分が頑張れた理由を比べてみると、内容を深められます。
⑤ 「いただきます」の意味について考える
普段、食事の前に何気なく言っている「いただきます」。
この本を読んだあと、その言葉について考えてみるのもおすすめです。
お米をつくった農家の人。
お米を運んだ人。
お店で販売した人。
そして、稲を育てる自然。
自分の目の前にご飯が届くまでには、さまざまな人やものが関わっています。
「食べ物を大切にするって、どういうことだろう?」
「自分は残さず食べているかな?」
など、自分の普段の食生活について考えてみましょう。
『おいしいお米をつくりたい!』読書感想文の構成例
小学校中学年なら、4つの段落を基本にして、自分の経験や考えをしっかり書いてみましょう。
① この本を選んだ理由
まず、なぜこの本を読もうと思ったのかを書きます。
例:
「ぼくは毎日ご飯を食べていますが、お米をどうやってつくるのかはよく知りませんでした。自分と同じ小学生がお米をつくったと知って、読んでみたいと思いました。」
「わたしは『小学生で農家に弟子入りしました』という言葉を見てびっくりしました。どうして農家に弟子入りしようと思ったのか知りたくなりました。」
② 一番驚いたこと・心に残ったことを書く
次に、本を読んで一番心に残ったことを書きます。
小学2年生で弟子入りしたこと。
完全無農薬のお米づくりに挑戦したこと。
雑草や害虫と向き合ったこと。
300キログラムという目標を立てたこと。
自分が気になったところを選びます。
そして、
「なぜ驚いたのか」
まで書きましょう。
③ 自分の経験や生活と比べる
ここを感想文の中心にします。
例:
「ぼくは学校でミニトマトを育てたことがあります。毎日水をあげるだけでも、わすれてしまいそうになることがありました。だから、広い田んぼでお米を育て続けたゆうちゃんはすごいと思いました。」
ここで終わらず、
「でも、ゆうちゃんが続けられたのは、お米づくりが本当に好きだったからだと思います。」
と考えを広げると、より深い感想文になります。
④ 本を読んで変わったことを書く
最後に、本を読んだあとの自分の変化を書きます。
例:
「この本を読むまで、ご飯が食卓にあるのは当たり前だと思っていました。でも、お米をつくるにはたくさんの時間や仕事が必要だと知りました。これからご飯を食べるときには、つくった人のことを少し思い出して食べたいです。」
また、
「ぼくも好きなことを見つけたら、ゆうちゃんのように本気で挑戦してみたいです。」
と、自分のこれからにつなげてもよいでしょう。
『おいしいお米をつくりたい!』読書感想文のタイトル例
- 「一つぶのお米ができるまで」
- 「ゆうちゃんの大きな挑戦」
- 「ぼくも夢中になれるものを見つけたい」
- 「お米を見る目が変わった」
- 「おいしいお米のひみつ」
- 「小学二年生の農家への挑戦」
- 「好きだからがんばれる」
- 「いつものご飯の向こう側」
- 「『いただきます』を考えた」
- 「一人の挑戦がみんなを動かす」
タイトルは最初に決める必要はありません。
感想文を書き終わってから、自分が一番伝えたかったことを短い言葉にしてみましょう。
『おいしいお米をつくりたい!』の読書感想文を書くときの注意点
お米のつくり方の説明だけにしない
この本には、お米づくりについての情報がたくさん登場します。
そのため、
「最初に○○をして、次に○○をします」
と、お米のつくり方を説明するだけにならないように注意しましょう。
読書感想文で大切なのは、
「それを知って自分はどう思ったのか」
です。
知らなかった。
驚いた。
大変そうだと思った。
自分でもやってみたいと思った。
そうした自分の気持ちを入れましょう。
「ゆうちゃんはすごい」で終わらせない
小学2年生で農家に弟子入りしたゆうちゃんを見て、
「すごいと思いました」
と感じる人は多いでしょう。
でも、そこで終わらず、
「何がすごいと思ったのか」
「自分だったらできると思うか」
「自分にも夢中になっていることはあるか」
まで考えてみましょう。
ノンフィクションであることを生かす
この本は、実際の小学生の挑戦を描いたノンフィクションです。
「本当にあったことだと知ってどう感じたか」を書くのもおすすめです。
もし物語だったら「すごい主人公だな」で終わったかもしれない。
でも、自分と同じ小学生が実際に挑戦したと知ったことで、
「自分にも何かできるかもしれない」
と思った。
そんな感想も、この本ならではの書き方です。
『おいしいお米をつくりたい!』の読書感想文でよくある質問
一番書きやすいテーマは?
「好きなことに挑戦すること」か「食べ物をつくる大変さ」が書きやすいでしょう。
自分にも夢中になっているものがあれば、ゆうちゃんと比較できます。
特に思いつかない場合は、毎日食べているご飯について「本を読む前とあとで考えがどう変わったか」を書くのがおすすめです。
お米を育てた経験がなくても書ける?
もちろん書けます。
学校で植物や野菜を育てた経験でも構いません。
また、何かを毎日練習した経験や、好きなことに夢中になった経験なども、ゆうちゃんの挑戦と結びつけられます。
ノンフィクションの読書感想文はどう書けばいい?
物語のように登場人物の気持ちを想像するだけでなく、
「初めて知ったこと」
「驚いたこと」
「自分の生活と比べて気づいたこと」
「もっと知りたいと思ったこと」
などを書くとよいでしょう。
特に、
本を読む前の自分 → 本で知ったこと → 読んだあとの自分
という流れは、ノンフィクションの感想文で使いやすい構成です。
「お米」ではなく「挑戦」をテーマにしてもいい?
もちろん大丈夫です。
むしろ、この本には農業だけでなく、挑戦、努力、好きなことへの情熱、地域の人とのつながりなど、さまざまなテーマがあります。
自分の経験と最も結びつけやすいテーマを選びましょう。
まとめ|『おいしいお米をつくりたい!』は「好き」を行動に変える力を考えられる本
『おいしいお米をつくりたい!:ゆうちゃん、小学生で農家に弟子入りしました』は、小学2年生で農家に弟子入りした「ゆうちゃん」が、休耕田でお米づくりに挑戦する姿を追ったノンフィクションです。
完全無農薬・天日干しにこだわりながら、雑草や害虫、台風などの困難と向き合っていくゆうちゃん。
その情熱は、やがて周りの人たちにも影響を与えていきます。
読書感想文では、
- 自分が夢中になったこと
- 毎日食べているご飯について
- 小学生でも大きな挑戦ができること
- 大変でも続けた経験
- 「いただきます」の意味
などをテーマにすると書きやすいでしょう。
特に大切なのは、
「ゆうちゃんはすごいと思いました」
だけで終わらせないことです。
なぜすごいと思ったのか。
自分と比べるとどうなのか。
この本を読んで自分の考えや行動はどう変わりそうなのか。
ここまで考えることで、自分にしか書けない読書感想文になります。
2026年度のほかの課題図書については、こちらの記事でまとめて紹介しています。
▶ 【2026年度】読書感想文の課題図書一覧|小学生・中学生・高校生の全18冊を紹介
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