『君の火がゆらめいている』読書感想文の書き方|テーマ・考察ポイント・構成例を紹介

読書感想文

2026年度(第72回)青少年読書感想文全国コンクール・中学校の部の課題図書に選ばれた『君の火がゆらめいている』。

主人公の葉澄には、発達障害のある双子の姉・菜々実がいます。

通院や学校への送迎など、家族の中で葉澄が担っていることは少なくありません。友達と遊びたい日も、お母さんと一緒にいたいときも、菜々実の予定が優先されることがあります。

葉澄は家族を大切に思っています。

だからこそ、

「嫌だと思ってはいけない」

「自分が我慢すればいい」

と、自分の気持ちを心の奥にしまい込んでしまいます。

しかし、障害のある兄弟姉妹をもつ子どもたちが集まる「きょうだい会」で、同じような経験をもつ恵太と出会ったことから、葉澄は自分自身の気持ちや未来について考え始めます。

この記事では、『君の火がゆらめいている』のあらすじやテーマ、読書感想文で使いやすい5つの切り口、構成例、タイトル例までわかりやすく紹介します。


  1. 『君の火がゆらめいている』の基本情報
  2. 『君の火がゆらめいている』はこんな人におすすめ
  3. 『君の火がゆらめいている』のあらすじ
  4. 『君の火がゆらめいている』のテーマ
    1. 家族を大切にすることと、自分を犠牲にすることは違う
    2. 「嫌だ」と思う自分を否定しなくていい
    3. 一人で抱え込まず、人に話すこと
  5. 『君の火がゆらめいている』読書感想文の切り口5選
    1. ① 家族のために我慢した経験から書く
    2. ②「こんなことを思ってはいけない」と感じた経験から書く
    3. ③ 誰かに話して楽になった経験から書く
    4. ④「助ける側にも助けが必要」という考えから書く
    5. ⑤ 自分の人生を自分で選ぶことについて書く
  6. 『君の火がゆらめいている』読書感想文の構成例
    1. ① この本を選んだ理由
    2. ② 心に残った葉澄の気持ちを書く
    3. ③ 自分の経験や考えとつなげる
    4. ④ 本を読んで変わった考えを書く
  7. 『君の火がゆらめいている』読書感想文のタイトル例
  8. 『君の火がゆらめいている』の読書感想文を書くときの注意点
    1. 「障害のある家族は大変」とまとめない
    2. 葉澄を「かわいそうな人」にしない
    3. 家族の誰かを悪者にしない
  9. 『君の火がゆらめいている』の読書感想文でよくある質問
    1. 一番書きやすいテーマは?
    2. 「きょうだい児」について詳しく調べる必要はある?
    3. 自分に障害のある兄弟姉妹がいなくても書ける?
    4. タイトルの「火」にはどんな意味がある?
  10. まとめ|『君の火がゆらめいている』は「家族と自分、どちらも大切にすること」を考えられる物語

『君の火がゆらめいている』の基本情報

📚 2026年度 青少年読書感想文全国コンクール課題図書(中学校の部)

作品名: 君の火がゆらめいている
著: 落合由佳
出版社: 講談社
発売: 2025年11月27日

本作は、障害のある兄弟姉妹をもつ「きょうだい児」の葛藤を描いた物語です。

物語では、葉澄の小学6年生から中学校卒業までの心の変化が描かれています。


『君の火がゆらめいている』はこんな人におすすめ

『君の火がゆらめいている』は、特にこんな人におすすめです。

  • 家族について読書感想文を書きたい人
  • 家族のために我慢した経験がある人
  • 本当の気持ちを誰かに言えなかった経験がある人
  • 「人を頼ること」について考えてみたい人
  • 自分の将来や生き方について考えたい人
  • 「きょうだい児」という言葉を初めて知った人

この作品のポイントは、「家族を大切にすること」と「自分を犠牲にすること」は同じなのか、という問いです。

中学生だからこそ、自分自身の生活や将来と結びつけながら深く考えられる作品です。

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『君の火がゆらめいている』のあらすじ

小学6年生の葉澄には、発達障害のある双子の姉・菜々実がいます。

葉澄は、菜々実の通院や学校への送迎などを日常的に手伝っています。

家族にとって菜々実への支援は欠かせません。

けれど、そのために葉澄が自分の予定を諦めることもあります。

友達と遊びたい。

お母さんと二人で過ごしたい。

自分のことも見てほしい。

そんな気持ちがあっても、

「菜々実には障害があるのだから仕方がない」

と思い、自分の気持ちを抑えてしまいます。

家族のことは好き。

菜々実のことも大切。

それでも苦しい。

その二つの気持ちが同時にあることで、葉澄は自分を責めてしまいます。

そんな中、葉澄は障害のある兄弟姉妹をもつ子どもたちが集まる「きょうだい会」を知ります。

そこで出会ったのが、同じ学年の恵太です。

恵太にも障害のある弟がいます。

一見明るく見える恵太ですが、その内側には葉澄と同じように複雑な気持ちがあります。

自分と似た経験をしている人と出会ったことで、葉澄は初めて、

「こんなことを思っているのは自分だけではない」

と気づき始めます。

そして葉澄は、

障害のある姉のために生きることが、本当に自分や家族みんなの幸せなのか。

自分は将来、どう生きたいのか。

そんな問いと向き合っていきます。


『君の火がゆらめいている』のテーマ

この作品には、読書感想文につなげやすいテーマがいくつもあります。

特に考えやすいのは、「家族への思いやりと自己犠牲」「自分の気持ちを認めること」「助けを求めること」の3つです。

家族を大切にすることと、自分を犠牲にすることは違う

葉澄は、家族のためにさまざまなことを我慢します。

それは、家族を大切に思っているからです。

でも、家族を大切にすることと、自分の希望をすべて後回しにすることは、本当に同じなのでしょうか。

誰かのために何かをすることは大切です。

しかし、それが長く続き、自分の気持ちをずっと押し込めるようになると、自分自身が苦しくなってしまいます。

この作品から、

「人を大切にしながら、自分も大切にするにはどうすればいいのか」

を考えることができます。

「嫌だ」と思う自分を否定しなくていい

葉澄は、

「家族なのだから助けて当然」

と思う一方で、

「どうして自分ばかり我慢しなくてはいけないの?」

という気持ちも持っています。

そして、その気持ちを持つ自分を責めます。

でも、人にはいろいろな感情があります。

好きな人に腹を立てることもあります。

大切な家族に、

「今日は自分を優先してほしい」

と思うこともあります。

負の感情を持つこと自体が悪いのではなく、その気持ちをどう受け止めるかが大切なのではないか。

そんなことを考えられる作品です。

一人で抱え込まず、人に話すこと

葉澄に変化を与える大きな出来事の一つが、「きょうだい会」と恵太との出会いです。

それまで葉澄は、

「自分だけがこんなことを思っている」

と感じています。

しかし、似た経験をもつ人と出会い、気持ちを共有することで、自分の悩みを少し違った角度から見られるようになります。

困ったときに人へ話すこと。

誰かに頼ること。

同じ経験をしている人とつながること。

それは弱さではなく、自分を守るための方法でもあります。


『君の火がゆらめいている』読書感想文の切り口5選

ここからは、読書感想文を書くときに使いやすい切り口を5つ紹介します。

すべてを書く必要はありません。

自分自身の経験や考えと一番つながるものを一つ選び、深く考えてみましょう。

① 家族のために我慢した経験から書く

この作品で特に書きやすいテーマです。

自分にも、

弟や妹に順番を譲った。

家族の予定を優先した。

自分がやりたいことを我慢した。

という経験はないでしょうか。

そのとき、

「仕方がない」

と思ったのか。

「少し嫌だった」

と思ったのか。

両方の気持ちがあったのか。

葉澄の経験と比べながら、

「家族のために我慢することには、どこまで意味があるのだろう」

と考えることができます。

②「こんなことを思ってはいけない」と感じた経験から書く

嫉妬。

怒り。

悔しさ。

嫌だという気持ち。

人に言いにくい感情は誰にでもあります。

自分にも、

「こんなことを思う自分は悪い」

と感じた経験はないでしょうか。

しかし、感情は簡単には消せません。

葉澄の姿を通して、

「感情を持つこと」と「その感情のまま行動すること」は違うのではないか、

と考えることもできます。

③ 誰かに話して楽になった経験から書く

一人で悩んでいると、大きく感じることがあります。

でも、

友達。

家族。

先生。

部活の先輩。

誰かに話したことで、少し気持ちが軽くなった経験はないでしょうか。

葉澄にとって「きょうだい会」は、自分の気持ちを理解してもらえる場所になります。

自分が誰かに話した経験とつなげれば、

「人に話すことにはどんな意味があるのか」

をテーマにできます。

④「助ける側にも助けが必要」という考えから書く

この作品では、菜々実に支援が必要であることはわかりやすく描かれています。

しかし、菜々実を支える葉澄にも、支えが必要です。

ここから、

「誰かを助ける人は、いつも強くなくてはいけないのか」

と考えることができます。

家族を支える人。

友達を励ます人。

チームをまとめる人。

普段「助ける側」にいる人にも、悩みや疲れがあります。

自分が今まで見落としていた「支える人」について考えるのも、深い感想文になります。

⑤ 自分の人生を自分で選ぶことについて書く

葉澄は成長する中で、自分の未来について考えていきます。

家族を大切にする。

でも、自分の人生もある。

その二つをどう両立すればいいのでしょうか。

中学生になると、

進路。

将来の仕事。

家族との関係。

少しずつ自分の未来について考える機会が増えてきます。

「誰かの期待に応えること」と「自分がどう生きたいか」をどう考えるか。

少し深いテーマに挑戦したい人におすすめです。


『君の火がゆらめいている』読書感想文の構成例

中学生の読書感想文では、あらすじを短めにし、作品から考えたことと自分の経験を中心に書くのがおすすめです。

① この本を選んだ理由

最初に、本を選んだ理由を書きます。

例:

「私は『きょうだい児』という言葉を知らなかった。この本を見て、障害のある兄弟姉妹をもつ子どもがどんなことを感じているのか知りたいと思った。」

「私にも兄弟がいるので、葉澄と菜々実の関係が気になってこの本を読んだ。」

② 心に残った葉澄の気持ちを書く

次に、一番印象に残った場面や気持ちを取り上げます。

例:

「私が心に残ったのは、葉澄が菜々実のことを大切に思いながらも、自分ばかり我慢していると感じてしまうところだ。」

ここで重要なのは、

「葉澄はこう思った」

だけで終わらせず、

「私はなぜそこが気になったのか」

を書くことです。

③ 自分の経験や考えとつなげる

ここを感想文の中心にします。

例:

「私も弟に何かを譲るよう親から言われ、『自分ばかり』と思ったことがある。そのときは、弟に怒っている自分がわがままなのだと思っていた。」

そこから、

「葉澄の気持ちを読んで、誰かを大切に思う気持ちと、不満を感じることは同時にあってもいいのではないかと思った。」

と考えを広げます。

④ 本を読んで変わった考えを書く

最後に、読後の自分の考えを書きます。

例:

「この本を読む前は、家族なら我慢することも必要だと思っていた。今もそう思う部分はある。しかし、一人だけがずっと我慢し続けることが家族の幸せとは限らない。自分の気持ちを話し、家族みんなで支え合うことが大切なのだと思う。」

このように、単純な正解ではなく、

「読む前はこう思っていたが、今はこう考える」

と変化を書くと、中学生らしい感想文になります。


『君の火がゆらめいている』読書感想文のタイトル例

  • 「家族だから我慢する?」
  • 「自分の気持ちも大切に」
  • 「葉澄のモヤモヤから考えたこと」
  • 「助ける人にも助けが必要」
  • 「家族を大切にするということ」
  • 「嫌だと思ってもいい」
  • 「一人で抱え込まないために」
  • 「自分の人生を生きること」
  • 「本当の支え合いとは」
  • 「君の火を消さないために」

『君の火がゆらめいている』の読書感想文を書くときの注意点

「障害のある家族は大変」とまとめない

この作品には、障害のある姉をもつ葉澄の葛藤が描かれています。

しかし、

「障害のある人が家族にいると大変だ」

という一般化で終わらせないようにしましょう。

大切なのは、葉澄という一人の人物がどんな状況で、何を感じたのかです。

葉澄を「かわいそうな人」にしない

葉澄は苦しい思いをしていますが、それだけの人物ではありません。

成長し、人と出会い、自分の未来について考えていきます。

「かわいそうだった」で終わらず、

「葉澄は何を考え、どう変わったのか」

に注目しましょう。

家族の誰かを悪者にしない

作品を読んで、

「親が悪い」

「菜々実が悪い」

と簡単に決めるのも避けたいところです。

それぞれの立場に事情があります。

誰か一人の責任ではなく、

「どうすれば家族全員が無理なく支え合えるのか」

と考えると、作品のテーマをより深く捉えられます。


『君の火がゆらめいている』の読書感想文でよくある質問

一番書きやすいテーマは?

「家族のために我慢すること」と「自分の気持ちを大切にすること」のバランスが書きやすいでしょう。

兄弟姉妹がいなくても、家族や友達のために何かを我慢した経験と結びつけられます。

「きょうだい児」について詳しく調べる必要はある?

必ずしも必要ではありません。

まずは葉澄の経験を読んで、自分がどう感じたかを書くことが大切です。

興味を持った場合は、「きょうだい児」について追加で調べ、その発見を少し加えるのもよいでしょう。

自分に障害のある兄弟姉妹がいなくても書ける?

もちろん書けます。

この作品には、

家族。

我慢。

助けを求めること。

自分の気持ち。

将来。

など、多くの人が自分の生活と結びつけられるテーマがあります。

タイトルの「火」にはどんな意味がある?

タイトルの「火」は、自分の中にある気持ちや、自分らしさ、生きる力など、さまざまに考えることができます。

一つの正解があるわけではありません。

「葉澄の火とは何か」

「自分の火は何か」

と考えることで、タイトルそのものを読書感想文のテーマにもできます。


まとめ|『君の火がゆらめいている』は「家族と自分、どちらも大切にすること」を考えられる物語

『君の火がゆらめいている』は、発達障害のある双子の姉・菜々実を支える葉澄が、自分の中にたまっていた気持ちと向き合いながら、将来について考えていく物語です。

読書感想文では、

  • 家族のために我慢した経験
  • 「こんなことを思ってはいけない」と感じた経験
  • 誰かに話して気持ちが楽になった経験
  • 支える人にも支えが必要だということ
  • 自分の人生を自分で選ぶこと

などをテーマにすると書きやすいでしょう。

この作品には、

「家族を大切にしなくていい」

という答えが書かれているわけではありません。

むしろ、

家族を大切にすることと、自分自身を大切にすることは両立できないのか

という問いを読者に投げかけています。

家族のために何かをすること。

自分の気持ちを伝えること。

人に頼ること。

自分の未来を考えること。

そのどれか一つだけが正解ではありません。

読書感想文では、葉澄の答えをまとめるのではなく、葉澄の経験を読んで自分ならどう考えるのかを書いてみてください。

2026年度のほかの課題図書については、こちらの記事でまとめて紹介しています。

【2026年度】読書感想文の課題図書一覧|小学生・中学生・高校生の全18冊を紹介

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