2026年度(第72回)青少年読書感想文全国コンクール・中学校の部の課題図書に選ばれた『チーム・テスならだいじょうぶ』。
主人公は、中学2年生のテス。
転校してきたばかりのテスは、友達づくりが少し苦手です。
そこで、自分の得意な「お菓子作り」を使って友達を作ろうと考えます。
その作戦はうまくいき、テスのまわりには少しずつ仲間が増えていきます。
さらに、テスが焼き菓子作りのコンテストに挑戦することになると、友達たちは「チーム・テス」を結成して応援してくれます。
ところが、テスには周りに言えない悩みがありました。
何度も起こる激しい腹痛です。
やがてテスは、クローン病という病気と向き合うことになります。
この作品で描かれるのは、病気そのものだけではありません。
人に頼ること。
自分の体を受け入れること。
友達や家族、医療に関わる人たちを信頼すること。
そして、病気があっても「その人のすべて」が病気で決まるわけではないということ。
鈴木出版も、本作をクローン病とともに生きることを描きながら、友情や医療チームへの信頼、人の助けを借りる大切さを伝える物語として紹介しています。
この記事では、『チーム・テスならだいじょうぶ』のあらすじやテーマ、読書感想文で使いやすい5つの切り口、構成例、タイトル例までわかりやすく紹介します。
『チーム・テスならだいじょうぶ』の基本情報
📚 2026年度 青少年読書感想文全国コンクール課題図書(中学校の部)
作品名: チーム・テスならだいじょうぶ
作: カービー・ラーソン、クイン・ワイアット
訳: 杉田七重
出版社: 鈴木出版
ISBN: 978-4-7902-3446-3
『チーム・テスならだいじょうぶ』は、クローン病を抱える少女を主人公にした青春ストーリーです。
作者の一人であるクイン・ワイアット自身の経験から着想を得ており、病気とともに生きることや、周囲の人に支えてもらうことが丁寧に描かれています。
『チーム・テスならだいじょうぶ』はこんな人におすすめ
『チーム・テスならだいじょうぶ』は、特にこんな人におすすめです。
- 友達との関係について読書感想文を書きたい人
- 人に頼るのが苦手な人
- 自分の弱いところを見せたくないと思うことがある人
- 病気や体のことについて考えてみたい人
- 「自分らしさ」とは何か考えてみたい人
- 誰かに支えてもらった経験がある人
- 得意なことを通して友達とつながった経験がある人
この作品は、病気を扱う物語ではありますが、テーマはそれだけではありません。
「友達にどう見られるか」
「助けを求めてもいいのか」
「病気や苦手なことがあっても、自分らしく生きられるのか」
といった、中学生にとって身近な悩みともつながっています。
📚 この本を購入する
『チーム・テスならだいじょうぶ』のあらすじ
テスは、中学2年生で新しい学校へ転校してきます。
新しい場所で友達を作るのは簡単ではありません。
そこでテスは、自分の得意な「お菓子作り」を使って、クラスメートと仲良くなる作戦を考えます。
自分で作ったお菓子を分けることで、少しずつ友達ができていくテス。
新しい学校生活も、だんだん楽しくなっていきます。
さらにテスは、ハイレベルな焼き菓子作りコンテストに出場することになります。
コンテストを応援するため、友達たちは「チーム・テス」を結成。
テスを中心に、仲間とのつながりが広がっていきます。
しかし、テスには大きな不安がありました。
何度も突然起こる、激しい腹痛です。
最初は我慢しようとします。
せっかく友達ができた。
コンテストにも出たい。
楽しい学校生活を続けたい。
そんな思いがあるからこそ、体の不調を簡単には受け入れられません。
しかし、腹痛はだんだん無視できないほど深刻になっていきます。
やがてテスは、クローン病という病気と向き合うことになります。
クローン病は、現在のところ完治させる方法が見つかっていない病気です。
診断を受けたからといって、すぐにすべてを受け入れられるわけではありません。
「今までと同じようにできるのか」
「友達にどう思われるのか」
「自分の生活はどうなってしまうのか」
さまざまな不安を抱えるテス。
けれど、テスのまわりには一人ではありません。
友達。
家族。
そして、テスの体を支える医療チーム。
一人で何でも解決するのではなく、周りの人を信頼し、必要な助けを借りながら前へ進んでいきます。
鈴木出版は、本作について「クローン病はテスにできることを制限することはあっても、テスという存在のすべてを決めるわけではない」という考えが重要なメッセージになっていると紹介しています。
『チーム・テスならだいじょうぶ』のテーマ
この作品には、読書感想文につなげやすいテーマがいくつもあります。
特に考えやすいのは、「人に頼ること」「病気や弱さと自分自身を分けて考えること」「支えてくれる人の存在」の3つです。
人に頼ることは弱いことなのか
テスは、自分で何とかしようとします。
痛みがあっても我慢する。
心配をかけたくない。
普通に生活したい。
そう思う気持ちは、とても自然です。
私たちも、
「これくらい自分でやらなければ」
「人に頼ったら迷惑かもしれない」
「弱いと思われたくない」
と考えることがあります。
でも、本当に何でも一人で解決することが「強さ」なのでしょうか。
体の不調を医師に伝えること。
苦しいときに友達へ話すこと。
家族に助けてもらうこと。
必要なときに「助けて」と言えることも、自分を守るための大切な力です。
病気は、その人のすべてではない
テスにはクローン病があります。
でも、テスは「クローン病の人」である前に、テスです。
お菓子作りが得意。
友達がいる。
コンテストに挑戦したい。
笑ったり、悩んだり、失敗したりする。
さまざまな部分を持つ一人の人間です。
病気があると、その病気だけに注目してしまうことがあります。
でも、
「その人に病気があること」
と
「その人がどんな人なのか」
は同じではありません。
これは病気だけでなく、障害や苦手なこと、失敗などにもつながる考え方です。
一つの特徴だけで、人のすべてを決めつけてはいけない。
そんなことを考えることができます。
支えてくれる人がいること
タイトルにもある「チーム・テス」。
それは、単にコンテストを応援する仲間だけではありません。
友達。
家族。
医療に関わる人たち。
さまざまな人がテスを支えます。
一人で生きているように感じても、私たちは多くの人に支えられています。
自分が困ったときに助けてくれた友達。
失敗したときに話を聞いてくれた家族。
困ったときに相談できる先生。
自分にも「チーム」と呼べる人たちがいるかもしれません。
『チーム・テスならだいじょうぶ』読書感想文の切り口5選
ここからは、読書感想文を書くときに使いやすい切り口を5つ紹介します。
全部を書く必要はありません。
自分の経験や考えと一番つなげやすいものを選んでみましょう。
① 人に頼れなかった経験から書く
この作品で特に書きやすいテーマです。
わからない問題があったのに、先生に聞けなかった。
悩みがあったのに、友達へ言えなかった。
体調が悪いのに「大丈夫」と言ってしまった。
自分にも似た経験はないでしょうか。
そのとき、
「どうして頼れなかったのか」
を考えてみましょう。
恥ずかしかった。
迷惑をかけたくなかった。
弱いと思われたくなかった。
そこから、
「テスも同じように一人で抱え込んでいたのではないか」
と考えをつなげることができます。
② 自分の得意なことから人とつながった経験を書く
テスは、お菓子作りをきっかけに新しい友達を作ります。
自分にも、
スポーツ。
絵。
ゲーム。
音楽。
勉強。
料理。
何か自分の好きなことや得意なことを通して、人と仲良くなった経験はないでしょうか。
得意なことは、単に「上手なもの」というだけではありません。
人とつながるきっかけにもなります。
テスのお菓子作りと自分の経験を比べて書くことができます。
③「自分の弱いところを見せること」について書く
中学生になると、
「できる自分を見せたい」
と思うことが増えるかもしれません。
失敗したくない。
弱いと思われたくない。
体調が悪いことを知られたくない。
でも、本当に信頼できる関係とは、良いところだけを見せる関係なのでしょうか。
弱いところを見せても離れない人。
困ったときに助けてくれる人。
そんな関係について、テスと「チーム・テス」から考えることができます。
④ 自分を支えてくれた「チーム」について書く
タイトルから感想文を書く方法です。
自分にとっての「チーム」は誰でしょうか。
部活動の仲間。
家族。
友達。
先生。
習い事の仲間。
いつも一緒に何かをする人だけが「チーム」とは限りません。
困ったときに支えてくれる人も、自分のチームの一員と考えられます。
自分が落ち込んだとき、誰が支えてくれたか。
その人がいたことで何が変わったか。
そこから「一人で頑張ること」と「支えてもらうこと」の違いを考えてみましょう。
⑤「病気がその人のすべてを決めるわけではない」について考える
少し深いテーマに挑戦したい人におすすめです。
人は、わかりやすい特徴で相手を見てしまうことがあります。
病気の人。
運動が苦手な人。
成績が良い人。
おとなしい人。
でも、それはその人の一部分にすぎません。
自分自身も、
「私は○○が苦手だから」
と、自分を一つの特徴だけで決めてしまったことはないでしょうか。
テスの物語から、
「人の価値を一つの特徴だけで決めることはできない」
というテーマへ広げることができます。
『チーム・テスならだいじょうぶ』読書感想文の構成例
中学生の読書感想文では、物語の説明を短めにして、自分の経験・考え・読後の変化を中心に書くのがおすすめです。
① この本を選んだ理由
最初に、なぜこの本を選んだのかを書きます。
例:
「私は『チーム・テスならだいじょうぶ』という題名を見て、なぜテスなら大丈夫なのではなく、『チーム・テス』なら大丈夫なのか気になった。」
「私は人に相談するのが苦手なので、テスが周りの人に支えられていく物語だと知り、読んでみようと思った。」
タイトルへの疑問から始めると、そのまま作品のテーマへつなげやすくなります。
② 心に残ったテスの行動を書く
次に、一番印象に残ったところを書きます。
体調が悪くても我慢するところ。
友達との関係。
クローン病と向き合うところ。
チーム・テスに支えられるところ。
自分が心を動かされた部分を選びます。
③ 自分の経験や考えとつなげる
ここを感想文の中心にします。
例:
「私は部活動で足を痛めたとき、休むとみんなに迷惑をかけると思って、先生に言わずに練習を続けたことがある。その結果、痛みが悪化してしまった。」
そこから、
「テスが体の不調を抱えながら一人で頑張ろうとした気持ちが少しわかる気がした。」
とつなげます。
さらに、
「でも、自分を守るために助けを求めることは、逃げることではないのだと思った。」
と考えを深めることができます。
④ 本を読んで考えがどう変わったかを書く
最後に、読後の自分の考えを書きます。
例:
「私はこれまで、人に頼らず自分でできる人が強いと思っていた。でも、この本を読んで、必要なときに周りを信頼して助けを求めることも強さなのだと思うようになった。これからは、自分一人で抱え込まず、困ったときには相談できる人を大切にしたい。」
『チーム・テスならだいじょうぶ』読書感想文のタイトル例
- 「一人で頑張らなくていい」
- 「私のチーム」
- 「人を頼るという強さ」
- 「テスはテスのまま」
- 「病気だけで人は決まらない」
- 「助けてと言えること」
- 「支えてくれる人がいる」
- 「弱さを見せるということ」
- 「『大丈夫』をつくる人たち」
- 「チーム・テスから学んだこと」
『チーム・テスならだいじょうぶ』の読書感想文を書くときの注意点
「病気なのに頑張っていてすごい」で終わらせない
テスはクローン病と向き合います。
でも、
「病気なのに頑張っていてすごい」
だけでは、テスを病気だけで見てしまいます。
テスには、お菓子作りが好きなところや、友達との関係、悩みや夢など、たくさんの面があります。
テスという一人の人間を見て何を感じたかを書きましょう。
クローン病の説明を長くしすぎない
病気について調べることはできますが、読書感想文の中心は医学的な説明ではありません。
クローン病について必要な範囲だけ触れ、
「テスはその病気とどう向き合ったのか」
「自分はそこから何を考えたのか」
を中心にしましょう。
「助けてもらう=何もしない」と考えない
テスは周りの人に支えてもらいますが、すべてを人任せにしているわけではありません。
自分で向き合いながら、必要なところで力を借ります。
「自立すること」と「人に頼ること」は、本当に反対なのか。
ここまで考えると、より深い読書感想文になります。
『チーム・テスならだいじょうぶ』の読書感想文でよくある質問
一番書きやすいテーマは?
「人に頼ること」か「自分を支えてくれる人」が書きやすいでしょう。
病気と同じ経験がなくても、友達や家族に助けてもらった経験から書くことができます。
クローン病について詳しく調べる必要はある?
必ずしも必要ではありません。
作品を理解するために基本的なことを知るのはよいですが、読書感想文ではテスの気持ちや周囲との関係、自分が考えたことを中心にしましょう。
自分が病気になった経験がなくても書ける?
もちろん書けます。
人に頼った経験。
悩みを隠した経験。
友達に支えてもらった経験。
得意なことから人と仲良くなった経験。
など、病気以外にも多くのテーマがあります。
タイトルの「チーム・テスならだいじょうぶ」にはどんな意味がある?
テス一人なら何でもできる、という意味ではなく、友達や家族、医療に関わる人たちと支え合うことで困難に向き合える、という意味を考えることができます。
鈴木出版も、友情と医療チームへの信頼、人の助けを借りる大切さを本作の中心的な要素として紹介しています。
まとめ|『チーム・テスならだいじょうぶ』は「一人で頑張らなくてもいい」と考えられる物語
『チーム・テスならだいじょうぶ』は、新しい学校で友達を作り、焼き菓子作りのコンテストに挑戦するテスが、クローン病と向き合いながら、周りの人と支え合っていく物語です。
読書感想文では、
- 人に頼れなかった経験
- 得意なことから人とつながった経験
- 自分の弱い部分を見せること
- 自分を支えてくれる「チーム」
- 病気や苦手なことだけで人のすべては決まらないこと
などをテーマにすると書きやすいでしょう。
この本を読むと、
「強い人とはどんな人なのか」
について考えさせられます。
何でも一人でできる人。
弱音を吐かない人。
そんな人だけが強いわけではありません。
自分の状態を知ること。
必要なときには人へ伝えること。
周りの人を信頼すること。
そして、支えてくれる人の力を受け取りながら、自分でも前へ進むこと。
それも一つの強さなのかもしれません。
テスには病気があります。
でも、病気だけがテスではありません。
私たちも同じです。
苦手なこと。
失敗したこと。
悩んでいること。
それだけで、自分という人間のすべてが決まるわけではありません。
読書感想文では、テスの病気について説明するだけでなく、テスと「チーム・テス」の関係を読んで、自分は誰と支え合って生きているのかまで考えてみてください。
2026年度のほかの課題図書については、こちらの記事でまとめて紹介しています。
▶ 【2026年度】読書感想文の課題図書一覧|小学生・中学生・高校生の全18冊を紹介
※本ページにはアフィリエイトリンク(Amazonアソシエイトを含む)が含まれています。
リンクから購入されると、当サイトに紹介料が入ることがあります。


コメント