2026年度(第72回)青少年読書感想文全国コンクール・小学校高学年の部の課題図書に選ばれた『ポジション!』。
主人公の芽吹は、運動が得意なわけではありません。
それなのに、「背が高いから」という理由でミニバスケットボールのチームへ誘われます。
最初は「何かが変わるかもしれない」と期待して入団した芽吹。
しかし、すぐに思うようにはいきません。
新しい後輩が入り、自分がチームの役に立てていないように感じ、自信をなくしてしまいます。
そんなとき、数年ぶりに会ったルイが、車いすバスケットボールに一生懸命取り組む姿を目にします。
ルイの努力に刺激を受けた芽吹は、自分もチームの中で役に立ちたいと思い、もう一度練習に向き合っていきます。出版社も本作を、芽吹が仲間とぶつかりながら「自分のポジション」を探し、成長していく物語として紹介しています。
この記事では、『ポジション!』のあらすじやテーマ、読書感想文で使いやすい5つの切り口、構成例、タイトル例までわかりやすく紹介します。
『ポジション!』の基本情報
📚 2026年度 青少年読書感想文全国コンクール課題図書(小学校高学年の部)
作品名: ポジション!
作: 高田由紀子
絵: 丹地陽子
出版社: 岩崎書店
ISBN: 978-4-265-84067-0
岩崎書店では、小学校高学年向けの創作文学として刊行されています。2026年度の課題図書選定理由でも、バスケットボールの練習や試合を通じて、登場人物たちが自分の役割を考え、改善し、協力しながら成長していく過程が評価されています。
『ポジション!』はこんな人におすすめ
『ポジション!』は、特にこんな人におすすめです。
- スポーツや部活動をしている人
- チームの中で自分の役割について考えたことがある人
- 「自分は何が得意なんだろう」と悩んだことがある人
- 誰かと比べて自信をなくした経験がある人
- 仲間との関係について読書感想文を書きたい人
- 苦手なことにも挑戦した経験がある人
この作品はバスケットボールが中心ですが、バスケをしたことがない人でも十分に読書感想文を書けます。
なぜなら、物語の大きなテーマは「スポーツが上手になること」だけではないからです。
自分の役割。
自分の居場所。
仲間との関係。
自信をなくしたとき、どうやってもう一度前を向くか。
学校生活や友達関係にもつながるテーマがたくさんあります。
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『ポジション!』のあらすじ
主人公の朝丘芽吹は、運動が得意ではありません。
友達も多いほうではなく、自分にあまり自信を持てないでいます。
そんな芽吹が、ある日ミニバスケットボールのチームに誘われます。
理由は、芽吹の背が高いこと。
人数が足りないチームにとって、芽吹はちょうどいいメンバーだったのです。
芽吹は、
「何かが変わるかもしれない」
という期待を持ち、チームへ入ることを決めます。
しかし、現実は簡単ではありませんでした。
バスケットボールは思うようにできず、チームメイトとの関係にも悩みます。
さらに後輩が入団したことで、自分はチームに必要とされていないのではないかと感じ、自信を失っていきます。
そんなとき、芽吹は数年ぶりにルイと再会します。
ルイは、車いすバスケットボールに取り組んでいました。
自分の目標に向かって努力を重ねるルイ。
その姿を見た芽吹は刺激を受けます。
自分も仲間の役に立ちたい。
チームの中で、自分にできることを見つけたい。
そう思った芽吹は、もう一度バスケットボールに向き合います。
しかし、チームにはさまざまな考えを持つ人がいます。
チームワークを大切にする人。
とにかく試合に勝ちたい人。
早く上手になりたいと焦る人。
それぞれが、自分の思いを持っています。
仲間とぶつかりながら、失敗しながら、芽吹たちは少しずつ自分の「ポジション」を探していきます。
このタイトルにある「ポジション」は、バスケットボールのコート上の役割だけではありません。
自分はどこにいて、何ができるのか。
そんな「自分の居場所」についても考えられる物語です。
『ポジション!』のテーマ
『ポジション!』には、読書感想文につなげやすいテーマがいくつもあります。
特に考えやすいのは、「自分の役割を見つけること」「人と比べすぎないこと」「仲間と協力すること」の3つです。
自分の「ポジション」を見つけること
バスケットボールには、選手それぞれの役割があります。
でも、この作品で描かれている「ポジション」は、それだけではありません。
自分は何が得意なのか。
チームの中で何ができるのか。
どこにいれば自分らしくいられるのか。
芽吹は、そうしたことを考えながら成長していきます。
学校生活でも同じです。
クラスを盛り上げる人。
人の話をよく聞く人。
困っている人に気づく人。
みんなをまとめる人。
目立つ役割だけが大切なのではありません。
自分にできることを見つけることも、「自分のポジションを見つける」ということなのかもしれません。
人と比べて自信をなくすこと
芽吹は、後輩が入ってきたことで自信をなくします。
自分より上手な人を見ると、
「自分はいらないのでは?」
「自分には何もできない」
と思ってしまうことがあります。
でも、人と比べることで見えるのは、相手との差だけではありません。
「自分は何を頑張りたいのか」
「自分にはどんな強みがあるのか」
を考えるきっかけにもなります。
誰かより上であることではなく、昨日の自分より少し成長すること。
そんな見方もできるでしょう。
チームでは「上手な人」だけが大切なのか
スポーツのチームでは、点をたくさん取る人や技術の高い人が目立ちます。
でも、チームが成り立つためには、それだけでは足りません。
声をかける人。
守備を頑張る人。
練習をまじめに続ける人。
仲間を支える人。
さまざまな役割があります。
課題図書の選定理由でも、本作は登場人物たちが自分の役割を考え、改善し、協力していく過程が丁寧に描かれていると評価されています。
「チームの役に立つ」とはどういうことなのかを考えられる作品です。
『ポジション!』読書感想文の切り口5選
ここからは、読書感想文を書くときに使いやすい切り口を5つ紹介します。
全部を書く必要はありません。
自分の経験とつなげやすいものを一つ選び、そこから考えを広げてみましょう。
① 自分の「役割」について書く
この本で最も使いやすいテーマです。
スポーツチームだけでなく、学校のクラスや係、家族の中にも役割があります。
自分はどんなときに誰かの役に立てたでしょうか。
たとえば、
クラスで困っている人を助けた。
係の仕事を最後までやった。
スポーツで仲間に声をかけた。
家で家事を手伝った。
大きな役割でなくても構いません。
「自分にできること」を見つけた経験と、芽吹が自分のポジションを探す姿を比べてみましょう。
② 誰かと比べて自信をなくした経験から書く
自分よりスポーツが上手な友達。
自分よりテストの点数が高い人。
自分より絵が上手な人。
自分より人気がある人。
誰かと比べて、
「自分はだめだ」
と思ったことはないでしょうか。
芽吹も、自分のチームでの立場に自信をなくします。
でも、そこで終わらず、自分にできることを探していきます。
自分が誰かと比べた経験を思い出し、
「そのときどう感じたか」
「今ならどう考えるか」
を書いてみると、自分らしい感想文になります。
③ 苦手なことに挑戦した経験から書く
芽吹は、もともとスポーツが得意ではありません。
それでも、ミニバスに挑戦します。
自分にも、
最初はできなかった。
苦手だった。
やりたくなかった。
でも、やってみた。
という経験はありませんか。
スポーツ。
勉強。
発表。
楽器。
習い事。
何でも構いません。
「挑戦する前の気持ち」
↓
「実際にやってみたこと」
↓
「そのあと何が変わったか」
の順に書けば、芽吹の成長と自分の経験を結びつけられます。
④ ルイの努力から考える
芽吹が再び前を向くきっかけの一つが、車いすバスケットボールに取り組むルイの姿です。
誰かの頑張る姿を見て、
「自分も頑張ろう」
と思った経験はないでしょうか。
スポーツ選手。
友達。
兄弟姉妹。
先生。
家族。
誰でも構いません。
誰かの姿が、自分の行動を変えることがあります。
ルイが芽吹に与えた影響と、自分が誰かから受けた影響を比べてみると書きやすいでしょう。
⑤ タイトルの「ポジション!」から考える
少し深い感想文にしたい人におすすめです。
最初は、
「バスケットボールのポジションのことかな?」
と思って読み始めたかもしれません。
でも読み終えると、「ポジション」には別の意味も感じられるでしょう。
チームの中の役割。
自分の居場所。
自分らしくいられる場所。
自分にできること。
そこで、
本を読む前に考えた「ポジション」
と
読み終わったあとに考えた「ポジション」
を比べてみましょう。
タイトルそのものをテーマにすることで、作品全体を考えた感想文になります。
『ポジション!』読書感想文の構成例
小学校高学年では、あらすじを短めにして、自分の経験や考えを少し多めに書くのがおすすめです。
① この本を選んだ理由
まず、なぜこの本を選んだのかを書きます。
例:
「ぼくはバスケットボールが好きなので、『ポジション!』という題名を見て読んでみたいと思いました。」
「私はスポーツが苦手なので、同じように運動が得意ではない芽吹がミニバスに入ると知って、どんな気持ちになるのか気になりました。」
② 心に残った場面を書く
次に、一番心に残った場面を選びます。
芽吹がミニバスへ入るところ。
自信をなくすところ。
ルイの車いすバスケを見るところ。
仲間とぶつかるところ。
自分が気になった場面で構いません。
ここでは、あらすじを長く説明するのではなく、
「なぜその場面が心に残ったのか」
を中心に書きましょう。
③ 自分の経験や考えを書く
ここが感想文の中心です。
例:
「ぼくもサッカーで、同じ学年の友達が試合に出て、自分がベンチだったことがあります。そのときは、自分はチームに必要ないのではないかと思いました。」
そこから、
「でも芽吹が自分にできることを探す姿を読んで、試合に出ることだけがチームの役に立つことではないと思いました。」
と作品につなげます。
④ 本を読んで考えがどう変わったかを書く
最後に、本を読んだあとの自分の考えを書きます。
例:
「この本を読む前は、ポジションはスポーツで決められた場所のことだと思っていました。でも今は、自分の役割や居場所という意味もあると思います。これからは、人と比べるだけではなく、自分にできることを探してみたいです。」
タイトルの意味に戻って終わると、まとまりのある読書感想文になります。
『ポジション!』読書感想文のタイトル例
- 「ぼくのポジション」
- 「自分にできること」
- 「チームの中のぼく」
- 「人とくらべるより大切なこと」
- 「芽吹から教えてもらったこと」
- 「自分の居場所を見つける」
- 「上手じゃなくてもできること」
- 「ぼくにも役割がある」
- 「仲間といっしょだから」
- 「『ポジション』の本当の意味」
『ポジション!』の読書感想文を書くときの注意点
バスケットボールの話だけにしない
この作品にはバスケの練習や試合が登場します。
でも、
「試合がどうなった」
「誰が上手だった」
という説明だけでは、感想文ではなく物語紹介になってしまいます。
バスケを通して、
「自分の役割」
「仲間との関係」
「自信」
について何を感じたのかを書きましょう。
「ルイは車いすなのにすごい」で終わらせない
ルイは車いすバスケットボールに取り組んでいます。
ここで、
「車いすなのに頑張っていてすごい」
だけで終わらせると、ルイ本人の努力や考えよりも、障害だけに注目した書き方になってしまいます。
大切なのは、
ルイが何に向かって努力しているのか
その姿を見て芽吹がどう変わったのか
です。
自分も誰かの努力を見て刺激を受けた経験があれば、そこにつなげてみましょう。
「自分のポジション」に正解を求めなくていい
「自分の役割はこれです」と、はっきり決める必要はありません。
「まだわからないけれど、探してみたい」
という結論でも大丈夫です。
芽吹自身も、さまざまな経験をしながら少しずつ自分の居場所を見つけていきます。
自分もこれから探していく、という終わり方もこの作品に合っています。
『ポジション!』の読書感想文でよくある質問
一番書きやすいテーマは?
「自分の役割」か「人と比べて自信をなくした経験」が書きやすいでしょう。
スポーツをしていなくても、学校や友達関係、係活動などの経験と結びつけることができます。
バスケットボールを知らなくても書ける?
もちろん書けます。
作品にはバスケが登場しますが、中心にあるのは、芽吹や仲間たちの成長です。
「自分に自信がない」「誰かと比べる」「仲間の中で役割を探す」など、スポーツ以外にもつながるテーマがあります。
車いすバスケについて調べたほうがいい?
必ずしも詳しく調べる必要はありません。
まずは作品の中で、ルイがどんな姿勢で車いすバスケに取り組み、その姿を芽吹がどう受け止めたかに注目しましょう。
読んで興味を持った場合は、実際の車いすバスケットボールについて調べ、その発見を感想文に加える方法もあります。
タイトルの「ポジション!」にはどんな意味がある?
バスケットボールでの役割だけでなく、チームや人間関係の中での自分の居場所・役割という意味も読み取れます。
課題図書の選定理由でも、登場人物たちが望むポジションを目指しながら、自分の役割を考え、協力していく過程が評価されています。
自分にとっての「ポジション」とは何かを考えること自体が、読書感想文のテーマになります。
まとめ|『ポジション!』は自分の役割と居場所について考えられる物語
『ポジション!』は、スポーツが得意ではない芽吹がミニバスチームへ入り、仲間や車いすバスケットボールに取り組むルイとの関わりを通して、自分の「ポジション」を探していく物語です。
読書感想文では、
- 自分の役割について
- 人と比べて自信をなくした経験
- 苦手なことに挑戦した経験
- 誰かの努力に勇気をもらった経験
- 「ポジション」というタイトルの意味
などをテーマにすると書きやすいでしょう。
大切なのは、
「芽吹はバスケを頑張ってすごい」
だけで終わらせないことです。
芽吹がなぜ自信をなくしたのか。
ルイや仲間との関わりで何が変わったのか。
そして、自分にも似た経験がないか。
そこまで考えてみることで、自分にしか書けない読書感想文になります。
「自分のポジション」は、誰かに決めてもらうものだけではありません。
いろいろなことに挑戦し、人と関わりながら、自分自身で見つけていくものなのかもしれません。
2026年度のほかの課題図書については、こちらの記事でまとめて紹介しています。
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